登った下った走った歩いた備忘録

第5回 上州武尊山スカイビュートレイル120 (A5~ゴール)

目を覚まし周りを見渡すと、すっかり人が減っていた。

時刻は1:20。

40分しか寝てないが、この雰囲気では早く出た方が良さそうだ。

ポールを出して、荷物を入れ替えて、靴と靴下を新しいものに変えて、、、

 

「グローブが無い!」

記憶を辿る。A5手前の登りで、パンツのウェストポケットに入れた「はず」。

 

あ、ポケットに入っておらず、パンツの中をすり抜けて落ちてしまった!?

 

せっかくポールを使えるのに、グローブなしで進まなくてはならない。

腹くくってA5エイドを後にした。

 

【A5 オグナほたか  出発 1:40】

 

動き出しこそ脚は固まっていたが、しばらく動くと解れてきた。ポールでリズムを取りながら快調に進む。

 

次のエイドまでは大きな上りもなく足場も悪くないので膝の不安も忘れ黙々と進む。 

 

しかし、グローブ無しなので手のひらが擦れて時々痛くなってきた。

手のひらの痛みを嫌って変な付き方をしたためか、左手首も痛みが出てきた。

ポールを突くより持って行動するようになった。

 

【A6 赤倉林道 3:45】

ここで横になっている人もいるが、明らかに想定より1時間近く遅れている。

とはいえ、ここから先は去年の70Kとは異なるコース。無理もできない。

腹ごしらえと水分補給してすぐにコース復帰。 

 

前後に選手の姿が見えなくなり、暗闇の中、左手に川の音を聴きながら林道を進む。

猛烈な睡魔がやってきた。

 

止まって横になろうか、でもこの先に仮眠所があるからそこまで頑張ろうかと考えていると、いつの間にか目を閉じている。でも歩いてはいる。

はっと気づいて目を開けると、道の左に寄っている。

道の左は反射板のついた柱があるが、そこを越えると川へ落ちてしまう(多分)

冷やっとして、「しっかりしろ!」と自分に言い聞かせるが、気づけはまた目を閉じていた。

こんなことを何回繰り返しただろう。

初めてのコースなのでとても長く感じ、仮眠所までどのくらいかも感覚掴めないまま進むとロードへ合流。

ここから川場牧場までロードの登り。夜の闇を抜け、空が明るくなってきた。

この先に仮眠所があるが、時間考えると寝る暇は無いだろう。

 

仮眠所通過。係の方が「味噌汁ありますよ」って言ってたのでトイレついでに立ち寄った。

中で寝ていた方は僅か。みなさん出発されていく。

味噌汁で温まり、トイレでスッキリして出発。

 

睡魔は何処かに行ってしまった。

しかし、ここから次のCPまでの記憶があまり無い。。。

 

【CP 樹恵里 7:20】

水とメダリスト補給しストレッチしてすぐ出発。

ここから次のA7までの記憶もあまり無い。。。

 

【A7 大日堂 8:55】

去年、8時すぎにこの辺へ友人の応援に来ていたので、その景色や場所は覚えていた。

今回の設定ペースも8時すぎをイメージしていたので、50分くらいは遅れている。

しかし、完走目標なのでここからは無理してペースは上げない。というより上げられない。ジワジワと疲労が脚に出てきた。

 

ここが最後のエイドということで、ゴールまで後少しと初めは思っていたが、ここから20K以上、5時間近くかかるんだよね。

 

でも、確実に終わりに近づいているのでゴール意識して体を動かす。

 

登りは林道(舗装整備途中の林道でドロドロ)。これが長かった。進めど進めどまだ着かない700mの登りだけに時間がかかる。

 

やっと登りが終わると、快適なトレイル。

f:id:uniblog:20181006142740j:plain

あとは登りは無いはず。

寂しくもあり、ゴールに近づいている安堵感も出てきた。 

 

W4を過ぎると走れる下りが続く。

ここまで来ると皆さんペースが落ちてきている。

私も安全第一で下っていたが、時々「お先にどうぞ」と道を譲っていただくと前には誰もいないトレイルが楽しくてペースを上げてしまう。

ゴールが意識できて気持ちがハイになっていたのかもしれない。

 

最後のウォーターステーションまでは小さな登り降りがあり、水分も結構消費してしまった。

 

W5の手前の小ピークで、誘導の方をW5と勘違いし「水ください」と言ってしまった。

「この先がウォーターステーションですよ」と教えてもらい苦笑い。

 

それくらい水がギリギリになっていた。

 

f:id:uniblog:20181006142826j:plain

いよいよ町が見えてきた。あとは本当に下るだけ。

この旅も終わるのかーと暫く眺めを楽しむ。

 

時計を見ると、13時台。

最後は14時を切ってゴール目指そうと考え、脚を動かす。

 

【Goal 13:58】

 

無事完走。長旅だった。

天候に恵まれたことが何より良かった。

予定のペース通りには行かなかったが、その都度どう進むか、休むか考えながら行動できたのは良い経験になった。分水嶺の経験も生きたと思う。

 

何より、夜通しコースで誘導しエイドで活動し全体をまとめてくれていた大会関係者の皆さまへ感謝です。

こんな贅沢な時間を過ごさせていただき、本当にありがとうございました。

 

次の目標は、、、、、やはり100マイル!