登った下った走った歩いた備忘録

第24回 星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン 完走記(60km~ゴール)

去年の悪夢のリタイア。

 

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65kmくらいの上りで、意識が朦朧となった。道横の柵に掴まりながらしか登れない。

日陰に入りたい。走っていないのに息苦しい。吸えない。ようやく辿り着いた小さな鳥居の前で横になって休む。10分のつもりが、起きられない。あと5分だけ、あと5分だけ、と思っていたが、1時間も横になってしまった。大会スタッフの方に声かけられコース復帰したが、呼吸が苦しいのは変わらない。もうダメだと思った。そのまま71km地点でリタイア申告した。

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あれから1年。

絶対越えてやるという気持ちで今年は意識もはっきりしている。

そして、辿り着いた。あの鳥居に。

ここで横になったんだなぁ と微かな記憶を辿り、その社にお礼をする。

1年お世話になりました。去年の抜け殻、連れて帰ります。

 

そろそろ疲れも出てきて上りは歩きになっているが、テキパキ体は動く。

 

71km。去年リタイアした場所。でも今年は通過できた。

 

足の疲労を軽くしてもらおうと、両ふくらはぎをマッサージしてもらう。

 

「ウォー、効くぅぅぅ〜」

 「大丈夫ですよ。筋肉はそれほど硬くなってないしまだ行けます!」

「お、そうですか!ありがとうございます!!!」

 

なんて会話も楽しみ励ましてもらい、元気になって着替えてコース復帰。

 

一昨年は、この先のコース上で眠くて横になっちゃったな と思い出した。

 

今年は動けてる。眠気もない。疲れはあるけど、気持ちは切れてない。

 

そして馬越峠

4年前、初めて参加した時はこの峠で気持ち悪くなっても吐けないというはじめての経験をした。

去年はここまで辿り着けなかった。

トレイルの大会や峠走など練習のおかげか、馬越峠に対する恐怖心はもうない。

(というより、歩いてノンビリ行こう と開き直ってる)

 

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ここまでくれば、あとはハーフマラソン1回分。

 

直後の下りも体が動く。止まらずに進む。87Kmの関門まで一気に駆け抜けた。

(85kmくらいではキロ5分くらいまでペース上がってて笑いながら走ってた。。)

 

87Kmエイド。

流石に今年もここのうどんは食べれなかった。食欲が落ちているので、ジェル補給して水かぶって、コース復帰。

 

ここからが一番きつかった。

 

今度はどれだけ進んでも体が動かない。下りで調子乗りすぎたかな と反省しても始まらない。とにかく1歩1歩足を前に進める。

 

100歩走って50歩歩く。50歩走って50歩歩く。

疲れた時、よくやる走法。

 

全部歩いたら、ゴールまで辿り着けなかったかもしれない。

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あと3km。

まだ明るい。今までで一番早かった。

明らかに気温のおかげだ。

そして、去年の雪辱も果たせた。

 

まさに「蘇」

 

ゴールの時は泣いていた。また泣いてしまった。

そして絶叫していた。

 

喉に刺さった魚の骨が、スッと取れたように、気持ちに刺さっていた去年の悔しさが消えていった。