第21回 野辺山ウルトラマラソン (後半 71〜100km)
ようやく到着した71km 第3関門「滝見の湯」。
ここからゴールまでに撮った写真はこれ1枚。もう写真どころじゃありません。
この先に地獄の登り「馬越峠」があります。
昨日車で下見して、「走れないな」と覚悟は決まってますから、気持ちは少し楽。
でも、とにかく息苦しい。足は動くかもしれないけど、息苦しくて体が止まる。
「どうしよう」なんて悩む間もなく「さて、最後の難関クリアしてゴールするぞ!」と一人気合いれてコースへ復帰。
それでも動かないものは動かないんです。
50歩走って50歩歩いてを繰り返しながら、なんとか「馬越峠」に。
この急な登りを歩いていると、息苦しさがさらに悪く。
「きもち悪い」
もう走らず歩いて登っているのですが、それでも今度はきもち悪さがやってきました。
本番前に、個人練習で60km走った時も同じ感覚に見舞われました。
きもち悪くて動けない。
馬越峠のてっぺんまで、何度も吐こうと思って側道に寄っては込み上げての繰り返しだけど、一向に吐けない。
というより、出ない。
フラフラになりながら、吐き気と戦っているとようやく第4関門 馬越峠に到達。
あと21km。ハーフマラソン1回分。完走がイメージできるようになってきました。
ここから下りは惰性にまかせ、走り始めます。
下りは走れました。完全にとまではいきませんが、少し歩いて結構走って くらいな感じです。
<80K通過> 10:11:56
そんなこんなで87km 川上村公民館到着。
ここでは「うどん」が配られてました。
「食べなくちゃ」と思い、手に取り、座り、口へ持っていきますが、、、
喉を通らない。
ついに固形物アウトです。
小さなころから、「食べ物を残しちゃいけない」と教えられてきたのですが、ごめんなさい。今回ばかりは喉を通りませんでした。
これがウルトラの洗礼かと思いながら、それでもあと13kmでゴールだと奮い立たせ、コースへ戻ります。
87〜92kmは、歩いたり走ったり。朦朧としながら足を進めます。
<90K通過> 11:33:29
この途中、「このまま何も食べれないとさらに体が動かなくなる。」と思い、ウェストポーチに忍ばせていたジェルを思い出します。
ここで、本ウルトラ初のショッツ投入!
もう動きが止まりかけてた体ですが、最後の力が湧いてきます。
残り8kmほど。
時計を見ると、13時間を切れるかも。
今回の目標は完走すること。このまま歩いても完走はできそう。
でも、「13時間台」と「12時間台」では、聞いた時になんか違うな。
やっぱ、12時間台とかって、カッコ良く聞こえる。
踏ん張って走ろう!
結局、周りの目を意識してるんですよね。だれが聞いてくれるわけじゃないけど。
そんな下心もあって、走り出します。
私設エイドの方に、スプライトいただきました!
まさに命の水!これまで口にした飲み物が同じ種類だけだったので、とっても美味く感じました。ありがとうございました!生き返りました!
ラスト3km!
時間とペースを頭の中で考えながら「走りきったら13時間切れる!」
あと2km の看板になかなかたどり着かない!?
あれっ、えっ、まだ?あ、やばい??
沿道に人がちらほら。「がんばれー!」
「ありがとうございます〜」と歯を食いしばりながら長くね? と思ったら「あと2km」看板通過。
で、すぐに「あと1km」。
おーいいい、本当??あってる!?!?
(どうやら、他の方もこの距離看板には「え?」だったようですね)
そんなこんなで駅前で左折して、ついにゴール前の直線。
名前が呼ばれるらしいけど、何て言ってるか全くわかりませんでした。
とにかく頭の中はパニックで。
「やっと着いた」「走り切るぞ」「ゴールテープ、一人で切れるかな」などなど、邪心も含んで色々な感情が湧き上がり、瞬間、本当に瞬間
「涙」
全部の感情がふっと消えて「涙」
でも、出ないんです。込み上げて、目を瞬間閉じたのですが、確かに「泣いてました」。
そして次の瞬間
「ゴーーーーーーーール!!!」
長かった、終わった。走りきった。13時間は切れました。
(棒グラフはLAP。馬越峠の登り10Kで1:50くらいかかってました。
終盤20Kはほぼ同ペース。それでも10K 1:20くらいですね。来年の参考にしよう。)
完走メダルかけてもらって、フラフラになりながら完走証発行してもらい、コーラもらいましたが、まだ食べ物は受付られませんでした。
この後、車で着替え、パノラマの湯で汗を流し、ようやく夕食を取り、清里の道の駅で車中泊。
一人ご苦労様会して爆睡したのでした。
翌日談。
せっかく野辺山まで来たんだし、ウルトラ走って翌日なんか動けるわけないから仕事は休みとってました。
なので午前中(というより帰路)は若干の観光兼ねてぶらぶら。
八ヶ岳の綺麗な空気を満喫し
走ってるとき遠くに見えてた宇宙電波観測所を見学したり。
充実の3日間でした!